処理の適用例3


床ワックス剥離排水への適用例

  • 試験水:某ビルの亜鉛含有床ワックス剥離排水
  • 処理条件

    前処理剤(1) → 弱酸性化 → 前処理剤(2) → スーパーナミット添加 → 濾過

  • 処理結果

    処理結果の外観状況を写真−1に示す。
    原水及び処理水の性状を表−1に示す。

原水と処理水(ろ過前)の写真

写真−1 左:原水        右:処理水(ろ過前)

表1.原水と処理水の性状

  原水の性状 処理結果
外 観 暗灰色懸濁 微黄透明
濁 度(度) 2,210 2.5
pH 9.8 7.1
CODMn(mg/L) 277,800 38,700
亜鉛(mg/L) 520 0.53
臭 気 強い 弱い
泡立ち

ホウ素含有排水への適用例

  • はじめに

    排水の浄化で、ホウ素は他の成分に比べてその除去が最も難しい成分の一つとされています。現状は主としてイオン交換法で行われていますが、排水の汚染度が高かったりSSが多いと 樹脂の劣化が早く、そのため前段処理として凝集沈殿分離が必要です。また吸着塔の設置が必要で、その運転管理も高度の技術が必要です。

  • スーパーナミット方法による処理方法の特長

    これに対して、スーパーナミットを使用した方法では汚染度及びSS濃度の高い排水でも 一度の凝集処理のみでSS及びホウ素を沈殿分離することが出来ますので処理操作は簡便に 行うことができます。

  • 処理手順

    A)単発処理

    1 )排水に所定の量のホウ素除去剤ATM−14を添加し約10分撹拌します。
    2 )次にスーパーナミットTN315NY−T3を約500ppm添加しながら約3分程撹拌しフロックを形成させます。
    3 )このフロックを沈降分離後、処理水のpH調整と成分チェックを行い放流します。
    4 )フロックは適宜脱水し、産業廃棄物処理します。

    処理装置は、既存水槽、撹拌機の流用で処理できますが、専用小型装置「なみっとくん」も ございます。

    B)連続処理

    連続排水処理装置により2〜6m3/hの速度で連続処理が出来ます。
    ATM−14及びTN315NY−T3の添加は付属の連続粉末供給機で行います。
    (ATM-14の供給機はオプション)

  • 処理の実例

    某土木現場排水についての処理試験結果を以下に示します。

      原水 処理水
    外観 茶褐色懸濁 無色透明
    濁度(度) 2175 0.2
    pH 7.9 10.8
    ホウ素(mg/L) 23 3.2
    原水と処理後の写真
  • スーパーナミットの物性
    種 類 ホウ素除去剤 凝集剤(無機系) 備 考
    品 種 ATM-14 TN315NY-T3 20kg袋入り
    外観・形状 白色粉末 灰白色粉末  
    嵩比重 0.9g/cm3 1.0 g/cm3  
    pH 11.5 6.8 1%水として

銅プリント基板エッチング排水への適用例

  • はじめに

    銅プリント基板エッチング排水の処理を、エッチング原液を希釈したものをモデル排水としスーパーナミットによる処理検討を行いました。 尚原液にはCOD成分も含有されており、特殊吸着材NAC−01も併用しました。

  • 処理フロー

    希釈原水→アルカリ化→NAC−01添加→スーパーナミット添加のうえ濾過しました。

  • 処理結果

    原液から処理水までの状況概観を下記の写真−1のとおりです。
    希釈原液(モデル排水)の性状は、処理条件および処理結果は表−1のとおりです。

  • 備考

    アルカリ化処理のみで銅濃度を2ppm迄下げることができましたが、1ppm以下には弊社重金属処理剤ATM−01の少量添加で容易に達成することが出来ます。

    原水及び処理水(濾過前)の写真

    写真−1左から原水➩50倍希釈水➩アルカリ化処理水➩凝集完了(濾過前)


染色排水への適応例

  • はじめに

    某染色工場排水に対して、スーパーナミット単独及び特殊吸着剤NAC−01を併用した場合について検討した。

  • 処理フロー

    原水を予め中性とした後

    1 )スーパーナミットTN315NY−T3を添加撹拌しフロックを形成する。
    2 )事前に特殊吸着剤NAC-01を所定量添加し、10分間吸着させた後、    1と同様にして、スーパーナミットTN315NY−T3を加えフロックを形成する。

  • 処理結果

    1 )凝集処理結果の外観写真を写真−1に、原水及び処理水のデータを表−2に示す。
    2 )いずれの処理でも無色透明となるが、スーパーナミットだけでは臭気が残る。
    3 )特殊吸着剤NAC−01を併用した場合は臭気も除去できる。
    4 )今回の排水はBODの低減に比し、CODの低減が大きかった。

  • 考察

    通常溶解性成分は凝集処理のみでは除去出来ないので、 今回の排水中のCOD成分は浮遊物として存在していたものと考えられる。

    表1.原水の性状と処理結果

    原水の性状 外 観 灰紫色懸濁
    濁 度(度) 1,376
    pH 4.6
    CODMn(mg/L) 424
    BOD(mg/L) 449
    蒸発残固形分(mg/L) 1,940
    臭 気 刺激臭
    泡立ち 無し
    前処理 処理剤 (予備中和のみ) NAC−01
    添加量(%) 0.5
    凝集処理 凝集剤 TN315NY−T3
    添加量(%) 0.10
    処理結果 フロックサイズ
    濾過・脱水性
    上澄水外観 極微着色 無色透明
    濁 度(度) 1.6 0.4
    pH 6.9 7.4
    CODMn(mg/L) 59.0 20.6
    BOD(mg/L) 239 139
    臭気 有り(やや強い) 無し
    備   考 写真1、図1参照
    原水及びスーパーナミット処理(ろ過前)の写真

    写真1 原水 及び スーパーナミット処理(ろ過前)

    図1.処理条件とCOD,BODの低減表